高齢者との会話で注意したいポイント

人が生きていく上で絶対に切り離せないもの。それが「人間関係」です。あの有名なアドラー心理学の本『嫌われる勇気』では「すべての悩みは対人関係である」と言い切ってしまうほど、対人関係は私たちの人生に絶大な影響を及ぼします。そんな「対人関係」を決定づける「コミュニケーション」。

良好な対人関係を築く上でコミュニケーションは欠かせません。「笑顔」や「傾聴」がコミュニケーションにおいて重要なのは有名ですが、お年寄りの場合、「ゆっくり話す」「分かりやすい言葉ではっきり話す」といったことも良く取り上げられます。そんな中、意外とやってしまいがちなNGポイントが、「お年寄りだと過度に意識すること」です。例えば、「大きい声で話す」こと。高齢になると聴覚が衰えるのは確かですが、通常よりも少し大きめな声で話せば普通にコミュニケーションが取れることが多いと言います。しかし、「お年寄りは耳が聞こえにくい」と過度に意識してしまい、お年寄りもびっくりするような大きい声で話しまったという例があります。

他にも、「お年寄り自身に質問をしない」こと。例えば「調子はどうですか」と訊きたいとき、本人に直接訊くのではなく、本人を前にしてその家族に訊いてしまうことがある、ということです。「私が目の前にいるのに、私に訊いてこないなんて、バカにされた」と感じてしまうことも少なくないそうです。お年寄りとの良好な関係構築のコツは、相手をお年寄りだと過度に意識するのではなく、一人の人間として尊重し、相手に合わせたコミュニケーションをすることなのです。